マンセル・カラー・システムの操作と等色相面の作成できるパッケージの紹介です。
色を表記する方法は、RGBやHex表記、そして、アメリカの美術教育者であるアルバート・マンセルが作り出したマンセル・カラー・システムなどがあります。
マンセル・カラー・システムの表記は10の色相を基本とし、さらに10区分した100色相、これに明度が10区分と彩度の3属性で構成されています。なお、色は「色相 明度/彩度」と表記します。
・10の基本色相
R(赤), YR(黄赤), Y(黄), GY(緑黄), G(緑), BG(青緑), B(青), PB(紫青), P(紫), RP(赤紫)
マンセル・カラー・システムは等色相面を確認することで理解が深まると思います。
なお、本パッケージは色相が2.5間隔、明度が2間隔、彩度が1間隔で、オープンアクセスではありませんが、アメリカ光学会が1943年に発表したレポートである、S. Newhall, D. Nickerson, and D. Judd, “Final Report of the O.S.A. Subcommittee on the Spacing of the Munsell Colors*,” J. Opt. Soc. Am. 33, 385-418 (1943).の表1に対応しているようです。
パッケージのバージョンは0.5.1。R version 4.3.3で確認しています。
パッケージのインストール
下記コマンドを実行してください。
# パッケージのインストール
install.packages("munsell")
実行コマンド
詳細はコメント、パッケージヘルプを確認してください。
# パッケージの読み込み
library("munsell")
# マンセルカラー表記をHexカラー表記に変換:mnsl2hexコマンド
mnsl2hex("5PB 5/10")
[1] "#447DBF"
# マンセルカラー表記をプロット:plot_mnslコマンド
# 背景色の指定:back.colオプション
plot_mnsl(c("5R 2/4", "5Y 7/8"), back.col = "white")
# Hexカラー表記をプロット:plot_hexコマンド
plot_hex("#23C8F5")
# 補色:complementコマンド
cols <- c("5R 2/4", "5Y 7/8")
plot_mnsl(c(cols, complement(cols)), fix = TRUE)
# 全ての補色を等色相面で表示:complement_sliceコマンド
complement_slice("5R")
# 全ての色相を等色相面で表示:hue_sliceコマンド
hue_slice(c("5R", "5GY"))
# 明度を1つ上げる:lighterコマンド
cols <- c("5PB 2/4", "5Y 7/8")
plot_mnsl(c(cols, lighter(cols)))
# 明度を1つ下げる:darkerコマンド
cols <- c("5PB 2/4", "5Y 7/8")
plot_mnsl(c(cols, darker(cols)))
# 彩度を2つ上げる:saturateコマンド
cols <- c("5PB 2/4", "5Y 7/8")
plot_mnsl(c(cols, saturate(cols)))
# 彩度を2つ下げる:desaturateコマンド
cols <- c("5PB 2/4", "5Y 7/8")
plot_mnsl(c(cols, desaturate(cols)))
# 明度と彩度を指定しカラーパレットを作成:hvc2mnslコマンド
# 明度を指定:valueオプション
# 彩度を指定:chromaオプション
plot_mnsl(hvc2mnsl("5BG", value = 1:9, chroma = 4), fix = TRUE)
コマンド例の一部の出力例
・plot_mnslコマンド
・complementコマンド
・complement_sliceコマンド
少しでも、あなたの解析が楽になりますように!!