アスリートにとって、話題となりやすいカルシウムについて考えたいと思います。
カルシウムの分類である微量栄養素は、一般的に体の機能を正常に保つために必要な栄養素です。そして、体内にあるカルシウムの約99%は歯や骨などの維持や成長に使われ、残りは細胞などに存在し、神経やホルモンの働きに使われています。
骨の成長、すなわち骨密度はアスリートと一般の方でも生涯にわたり変化し、男女ともに20歳頃にピークを迎え、40歳程度を目安に減少していきます。特に女性は閉経後にホルモンの代謝が変わるために骨密度が急激に減少することが知られています。
なお、カルシウムはビタミン類と同様に体の中では作り出すことができないので、食事からの供給が必要です。多く含まれる食材には小松菜やブロッコリーなどの野菜、豆腐などの大豆製品や乳製品に含まれています。
ご飯などの糖質と一緒にバランス良い摂取が理想です。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやCを含むきのこのソテーやデザートにオレンジなどのかんきつ類を組み合わせると更に理想的な食事になると考えます。
現在の所、骨の健康を保つためにアスリートが必要とする食事は、マラソンなどの多くの汗をかく持久系のスポーツなどの一部を除き、一般の方と著しく変わらないと考えられています。
最後に、骨の健康に役に立つ栄養素と含まれる食材を紹介します。
・たんぱく質
骨を保護するコラーゲンや合成を調整するホルモンと成長因子の産生に役に立っています。肉、乳製品、魚、ナッツ、豆、卵が代表的な食材です。
・リン
骨の石灰化に不可欠です。しかし、多量に摂取すると健康に問題が生じます。日常的な摂取量でカルシウムとバランスよく摂取することがおすすめです。肉、乳製品、魚、ナッツ、豆、卵が代表的な食材です。
・マグネシウム
マグネシウムは半分以上が骨に貯蔵され、骨の代謝に重要です。ほうれん草、ナッツ、アボガドが代表的な食材です。
・カリウム
骨への健康へ与える影響は間接的ですが、適切な摂取量では骨量が増加することが知られています。バナナ、ブロッコリー、ナッツが代表的な食材です。
・鉄
コラーゲンとビタミンDの機能に重要です。しかし、多量の摂取は炎症や酸化ストレスの増加が原因で骨の健康に悪影響を与える可能性が考えられています。緑黄色野菜、ドライフルーツ、レバーが代表的な食材です。
この情報が少しでもあなたの役に立ちますように。