クロレラの栄養素や機能性の情報は日々増えています。それに負けずにクロレラについて記述していこうと思います。
クロレラを調べると、「第24回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第3号 昭和31年2月15日」に東京大学教授、徳川生物学研究所長、田宮博理学博士の参考人としての聴取の記録が残されています。公に日本でクロレラが語られたのはこの時かもしれません。
昭和31年は西暦1956年ですので、今から66年ほど前のことです。
議事録の中で、クロレラについては今の企業などのHPと同様に重量の約50%がたんぱく質であることが特徴として語られています。当時は完全に食料の一つとして議論されていました。
コストや科学技術が発展していれば、今ではスーパーなどでクロレラが食材の一つとして普及していたかもしれません。多分ですが、今、健康食品として利用されているのは製造コストの問題が解決していないのかもしれません。コストさえ解決すれば一般的な食材になるかもしれません。
そして、議事録で大変興味深いことは、クロレラを食糧に提案したことではなく、クロレラの栄養特性から日本人の栄養を議論したことではないかと思います。栄養は栄養素と違い、食べ物から取り入れた栄養素が生命を維持する活動を言います。
ですので、栄養は状態が良い・悪いなどで表現ができます。
議事録を読むと、クロレラが栄養素をバランス含むと紹介されていますが、クロレラを通じて日本の栄養状況を改善していきたいという熱い思いが伝わります。決してクロレラの普及が第一ではないことがポイントです。
その、該当箇所を下記に引用したいと思います。そして、もしかすると66年ほど前から日本人の栄養に対する認識は進歩していないかもしれません。なんとなくですが、日本人は食べ物への執念は凄いですけれども、美味しさや安全性以外の難しい議論は苦手かもしれません。
○岡委員 日本人の食生活がきわめて非科学的であって、いわば澱粉依存であり、その結果として、おなかがふくれれば栄養がとれるのだという考え方が習慣になっておったというような結果から、各国、特に先進諸国に比べて、胃腸病が非常に多いという現況でもありますので、先々国会においても、食生活の改善に関する決議案を衆議院は満場一致採択しておるわけです。なおまた、食糧事情が至って困難なことは、かねて御承知の通りのことでもありますので、こういう面から、個人の食生活においても、また日本の全国民に合理的な栄養を与えるという面から見ても、田宮さんの御研究の御業績というものは、やはり当委員会としては高く評価したいと思うのです。そうは言いながら、直接これを担当するところは、やはりまず国民栄養の調査研究の責任を持っておる厚生省でありますので、委員長の方で、あるいは理事会を通じて、せっかく田宮さんをお呼びいただいて、その御業績をいかに活用するかということについても、委員会としての適当なお取扱いを御考慮願いたいということを申し上げたい。
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/102403913X00319560215/37
なお、議事録の内容は国会会議検索システムより確認することができるので見ていただければいいと思います。
「おなかがふくれれば栄養がとれる」これは、今の時代でも考えさせられる言葉で、例えば何かの単独の栄養素や成分、これを「おなかがふくれれば」に置き換えると、何かの単独の栄養素や成分はからだに本当に有益かと考えさせられます。66年ほど前にクロレラを通じて考えていたようです。
これは、大変、重要な言葉でやはり栄養は何らかの食材を複数たべることで満たすことができることを示しているのではないでしょうか。だからこそ、近年は食育という考え方が一般化してきたと思います。
クロレラは特に何かの機能成分が特徴ではなく、クロレラを丸ごと食べることで体に有益な影響を与えるものだと考えています。これは、サプリメントや機能成分だけを食べることを考えると思いつかないかもしれません。
でも、毎日の食事に使われている食材を考えてみると、大変多くの種類が使われています。
ですので、やはりクロレラのような生物を丸ごと食べることができて、数多くの栄養素を体に取り入れることはかなり重要なことではないかと考えます。
クロレラは他のサプリメントと違い、特徴がないかもしれません。でも、食材としては多くのビタミンやミネラルをバランスよく含んでいます。
もしかすると、クロレラはイメージですが色々な野菜やお肉、お魚などをまとめたような、栄養素の種類が多い食材かもしれません。そして、栄養素の量ではなく、種類が多いことが体に利益を与えているかもしれないと考えています。
あなたのからだにいい「食事」を考える情報となりますように。